休日の朝、たまたま早起きをした。
カーテンの隙間からやわらかい光が差し込み、窓から吹き込む風がなんとも心地よい。
「今日はちょっと外に出てみようかな」──特に目的もなく、そんな気まぐれで外に出たのがすべての始まりだった。
歩き出してみると、思いのほか気分が良かった。
体が少しずつ目を覚ましていくような感覚と、頭の中がスーッと晴れていく感じ。
近くの森林公園まで足を伸ばし、木々の間を歩きながら、ゆっくりとした時間を過ごした。
この散歩が、思った以上に自分に合っていた。
実のところ、運動が嫌いなわけじゃない。
「運動っていいよな」と思うことはある。
だが、自信を持って言えるのは、続かない自信があるということ。
だから、最初からやらない──そういうタイプ。
でも、散歩は違った。
特にがんばらなくても、ただ歩くだけ。
それだけで気分が晴れるし、終わったあとには体が少し軽く感じる。
これって、実はすごく理にかなっているようだった。
なぜ散歩がいいのか?
調べてみたら、散歩にはこんなメリットがあるらしい。
- ストレスの軽減
軽い有酸素運動で、心が穏やかになりやすく、自然の中ではリラックス効果も高まる。 - 頭がスッキリする
脳に血流が行きわたり、気分の切り替えや集中力の回復にも効果があるとか。 - 睡眠の質が良くなる
朝日を浴びることで体内時計が整い、夜の眠りが深くなるそう。 - 筋力・体力の維持
足腰や体幹を自然に使えるので、中年の体にもやさしい運動になる。
しかも、特別な道具もウェアもいらない。思い立ったらすぐできるし、続けるハードルも低い。
最近では、朝の森林公園で出会うご年配の方々に混じって、自分もゆったりと歩いている。
誰かと話すわけでもないけれど、静かに時間が流れているあの空間が好きだ。
ゆっくりと歩いていると、なんだかすごく時間を贅沢に使っている気分になる。
スマホも見ず、予定も考えず、ただ自然の中を歩く。
日々の忙しさを忘れられるこの時間が、今はとても心地いい。
歩いていると、周りにも散歩を楽しむ人たちがいる。
決して多くはないけれど、健康に気を遣い、自らの意思で歩いている人たち。
きっと、誰かに言われて始めたというより、自分で気づきを得て始めた人たちなのだろう。
人に指示されて、休日に早起きして散歩するなんて、なかなかできることじゃない。
だからこそ、この習慣は“自分の中の気づき”から始まるものなのかもしれない。
38歳でこの趣味に出会えたことは、案外幸運だったのかもしれない。
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